5月27日(土)、娘とともに北泉ガ岳を訪れる。「サンカヨウを見たいので一緒に行ってくれ」
と言うのだ。確かに例年だと5月中頃から末あたりが見頃だ。しかし今年はゴールデンデンウイーク中には咲きだしたので、もう散ってしまっているだろうと言ったが、それでも構わないと言う。北泉ガ岳の根曲がり竹は例年なら6月になってからだが、今年は取りごろかもしれない。二か所で根曲がり竹をとる、ワラビなどを採るため帰りは遠回りをするが良いかと聞けば、大いに結構と応える。そんなわけでいざ出発となった。 水神を渡ったお花畑に散在する「サンカヨウ」は完全に終わっていた。葉の上に自分が散らした白い花の残骸すら残っていない。注意しないとサンカヨウがあるのも気が付かない。鶯坂周辺も同じようなものだが、ここは数が多いだけに花の残骸を身に纏っているのも多少はある。いよいよ三叉路、わずかに花を咲かせているのが三株残っていた。 それにしても何故サンカヨウはこんなに人気があるのか?サンカヨウが終わると根曲がり竹が顔を出す、私はその程度にしか思ってない。濡れてスケルトンになった姿も特に見たいと思ったこともない。だからサンカヨウの人気について今まで考えた事もなかった。しかし、娘はわずかに残った花を見て大喜び、来年は必ず見に来ると決意表明だ。「もう一週間早く来ればよかった」と残念そうに語りあっているグループに二組出くわした。帰りに出会った人(3人)からは「サンカヨウはまだ咲いていましたか?」と聞かれた。 人気の背景には泉ヶ岳が山歩きの難易度、安全性、交通の便の良さなど誰でもが気軽に行きやすいという事情があるだろう、そのうえで ① 濡れるとスケルトンになる、これを期待する人が多いようだ。数年前に三叉路で花に水を
掛けている人がいた。 ② 葉と花のちょっと奇妙なアンパランス、藤の葉のようで決して美しいとは思えないニ枚の
大きな粗雑感のある葉と白くちょこんと咲く花 ③ 他の花の多くが泉ヶ岳や北泉ヶ岳のいわば全域で見られるのに、北泉ヶ岳と黒鼻山のー
部だけでしか見られない「希少性」 以上のような要因があるのかと思える。こんなことを書いていると不思議なもんで自分も来年はスケルトンを見ようかと思ってきた。根曲がりだけは出始めの段階だが予想以上にと
れた。ワラビや谷地ゼンマイなど、こちらも出始めだった。
|